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仏様のごはん [日常]

ここしばらく、作った料理で特殊なものは仏様のご飯でした。
私のところでは「おりく膳」と呼びますが一般的には「お霊供膳(おりょうくぜん、またはぐぜん)」と呼ぶものです。

白飯、汁物、煮物、香の物、野菜のおひたしや煮豆などを供します。
全て精進料理で、殺生もの、つまり、動物性のものは一切使わない料理です。

こんな感じです。
a-001.jpga-002.jpg
おっと、平椀の配膳位置が間違えているけど、気にしない・・・と言うか終わっちゃった事なので仕方ない(汗)。

普段の料理で当たり前に使うものが使えないのです。
たとえばほんだしの様な顆粒だし、めんつゆの様な調味料、お肉もお魚はもちろん、かまぼこなども当然つかいません。
タマゴもダメです。

市販のお漬け物を買ってこようと思ったら、大抵かつおエキスが入っていたりして使えません(爆)。
名のでお漬け物も自分で漬けるようになります。

だしは昆布と干し椎茸でとります。
タンパク質は豆腐、油揚げ、飛竜頭や麩を使います。

そして、季節を意識し彩りにも気を遣えと言うことで、毎回(七日ごとに法要があるので)頭をひねりました。
大抵は月命日とお彼岸の中日やお盆にだけお供えするのですが、四十九日までは毎週作ります。

5回目くらいから段々作るのが楽しくなってきたんですが、精進料理って健康にも良さそうです。
普段の料理にも取り入れようかな、などと思いました。

私の実家は曹洞宗(禅宗)なのでこのほかに積み団子と言うものを作ります。
五段重ねるお団子で片方35個のお団子を三角に積み上げるものを2つ。
合計70個の団子を丸めなくちゃならないのです。

同じ大きさにお団子を作って丸めないと綺麗に積み上がらないのでお団子の生地を同じ大きさに70等分するのが大変。
お団子を作るのに1時間もかかりましたが、これも後半になると便利な道具を見つけたので30分に短縮することに成功。

お団子も4段にすると楽なのですが、4段は手抜き団子と言うそうです。
祖母が生きていたとき、途中で嫌になったのか4段のお団子が時々仏壇に乗っていましたが・・・(笑)。


仏様のご飯って、生きている人のご飯より手が掛かります。
やっぱりこう言うのも修行のうちなんでしょうね。

仏様関係なく、そのうち精進料理も我が家のメニューに加えて見たいなぁ、と思いました。


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コメント 6

hirochiki

心のこもったおくり膳を召し上がって、お母様も毎日お喜びのことと思います。
人参も花型にしてあって、とても可愛いですね。
うちも両実家とも曹洞宗ですが、積み団子のことは知りませんでした。
今日の記事を拝見して思ったのですが・・・
我が家の平日の料理は、これほど手間はかけませんがほぼ精進料理です(笑)
やはり、この世は修行ですね。最近、つくづく感じております(^_^;)

by hirochiki (2012-04-14 06:40) 

C-Boy

うちは浄土真宗なので、宗派が違うとまた違うんでしょうね。
今度、実家に帰ったら聞いてみようかな(^^;
by C-Boy (2012-04-14 07:38) 

馬爺

宗派によって精進料理を頂きますね我が家は浄土真宗大谷派東本願寺ですから精進料理はあまり口にしませんが愚あくに精進落としで生魚などを頂きます、禅宗のお寺へ行き宿坊へ泊ると精進料理ですね。
でも私はこの精進料理が好きなんです、特にゴマ豆腐は美味しいですね。
by 馬爺 (2012-04-14 11:27) 

みぃにゃん

スゴイ大変なんですね。こういった料理を作る習慣も初めてしりました。
見た目はシンプルで豪華さはないけれど、すごく手の込んでいるのがとてもよくわかります。お母様もきっとお喜びだと思いますよ。
by みぃにゃん (2012-04-14 12:40) 

みずき

うちは浄土真宗で西本願寺派です。
他の宗派に比べて緩いというか穏やかというか^^;
こだわらなくていいから、ごちそうをたくさん、果物をたくさん、
亡くなった人が好きだったものをたくそん供えてくださいって
住職さんに言われましたよ。

でもゴマ豆腐とかは大好き~♪
by みずき (2012-04-14 22:33) 

千波矢

hirochikiさんへ
生前の最期の料理はお正月のお節料理でした。母は元々お肉が苦手だったので精進料理喜んでくれたかもしれません。
積み団子は全国的なものじゃないのかもしれないですね。同じ宗派でも地域で違うことがあるみたいです。北海道ではきっと積み団子は曹洞宗では必須じゃないかと思います。
お盆やお彼岸の時にはスーパーでも3段くらいの積み団子が売られているんですよ。
精進料理がほぼ毎日と言うのはすごいです。私はつい市販の調味料や出汁に頼ってしまうので、1から作る事がこんなに大変だとは思いませんでした。やっぱり日常全て修行だと思って真面目に作るべきですね(汗)。

C-Boyさんへ
宗派が違うと全然違いますね。浄土真宗でも西が東か、そこからまたいくつか派生した宗派があるようなのでお仏壇の飾り方から何から何まで細かく違うようですよ。
宗派の違う葬儀に参列すると今でも戸惑います。
ご実家の宗派のしきたりを覚えておくって大事ですよね。

馬爺さんへ
精進料理基本的にお坊さん達の修行中の食べ物なんですよね。普段はきっと普通のご飯食べているんだと思います(笑)。
そう言えば親戚の葬儀の時に骨あげのあとのお膳にはお肉やお魚が出てきて「精進落とし」と確かにそう言いました。
宿坊に泊まったことがないのですが、テレビなどで見たときには音を食べずに食べなくちゃいけないとか、厳しそうでしたが実際にはどうですか?
素人がいきなり音も立てずにご飯を食べるのは難しそうです。
そして、私も胡麻豆腐が大好きです。永平寺プロデュースの胡麻豆腐と言うのがありまして、タレが味噌ダレで美味しいです。わさび醤油も好きです。

みぃにゃんさんへ
このお膳を作るのは全部の宗派じゃないんだと言うことをこどもの頃親戚の葬儀に参列して初めて知ったのですが、作る宗派がどこなのか、未だに分かっていません。多分作らない方が多いのかと思います。
食材が野菜と大豆製品がメインなので豪華ではありませんが、その分美味しくなるように時間と手間はかかりました。
母も喜んでくれていると仰っていただけると、私もまた次頑張ろうと思います。



by 千波矢 (2012-04-14 22:45) 

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